Image

「嫌われる勇気」 – アドラー心理学入門

書評です。最初は本屋で立ち読み。数ヵ月後の今、kindle版を買って読んでます。


・トラウマを完全否定

・世の全ての悩みは対人関係の悩み

・過去も未来も考えない。「いま」だけに集中


などの考えが100年近く前に生み出され、部分的には超インパクトのある内容なのに、世の中に大っぴらに出てきたのが「今」と言うのが驚きです。アドラーさん、知ってる人は知っていたのかな?

Pocket

Image

photo by unkown

トラウマを否定せよ

職場や学校でのいじめが原因で引き篭もりになってしまった青年の場合

 ×他者と交わるのが怖い。不安だ。だから外に出られない(原因論)

 ○外に出たくないから、不安という感情をつくり出している(目的論)


喫茶店でウェイターにコーヒーをこぼされた場合

 ×カッとなって大声で怒鳴りつける。(原因論)

 ○大声を出すために怒鳴った。それによってミスを犯したウェイターを屈服させたかった。(目的論)


トラウマとは「過去」の心の傷。アドラー心理学は、「過去」の原因ではなく、「いま」の目的を基準に考える。


これは面白い考え方ですね。確かにそう考えた方が納得感がある。トラウマを否定、というよりも、過去のせいにしても仕方がないので、前向きに別の考え方をしましょうよ、ということですね。



すべての悩みは対人関係


内面の悩みなどというものは存在しない。


「お金がない」という悩み→生活できない→家族に顔向けできない→[対人関係]の悩み

「サッカーが上手くならない」という悩み→チームでレギュラーになれない→異性にモテナイ→[対人関係]の悩み

「身長が低い」という悩み→他人と比べて低いという意味→[対人関係]の悩み


まあこれはうなづける。良く考えればわかることですが、断言されると気持ち良いです。

Image

Canon Canon EOS 400D DIGITAL, 1/60, f/5.0, ISO1600, -0.1EV, Photo by unknown


他者の課題を切り捨てる

ある問題(課題)があった場合、それが誰の課題なのか?を考える。

 他者の課題の場合・・・踏み込まない

 自分の課題の場合・・・他者を踏み込ませない


あらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと、あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされる。

※誰の課題かを見分ける方法: その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?


他人の事は誰にもわからない。例えわかることがあっても、それは氷山の一角。その一角について、皆あれこれ考えて頭を悩ませるのだけれども、もういい加減やめましょうという話。

Image

Canon Canon PowerShot G7, 1/100, f/3.2, ISO, Photo by unknown


世界の中心はどこにあるのか

縦の関係(上下関係、主従関係)を否定し、横の関係(友人、仲間意識)を築くことが大事。


褒めてはいけない。そしてしかってもいけない。褒める・しかるという行為には「能力のある人間が、能力のない人に下す評価」という側面が含まれる。どちらも背後にある目的は操作。


自己への執着(self interest)を共同体感覚(social interest:社会への関心)に切り替えていくことが大事。人は、「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたとき、自らの価値を実感できる。


この辺りは難易度高め。要再読。




「いま、ここ」を真剣に生きる

「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。あなたはただ、「いま、わたしが、どうするか」だけを考えればいい。


一般的な人生の意味はない 自分自身にであたえるもの。


自己啓発書で良く言われることですね。ただ、”ダンスを踊るように、いまこの瞬間を生きる。そしてふと周りを見渡したときに、「こんなところまで来ていたのか」と気づかされる”、という表現は好きです。そんな風に生きれたら素敵ですよね。



Image

Canon Canon EOS 20D, 1/320, f/4.0, ISO200, Photo by unknown





嫌われる勇気

というタイトルは、本を売り出すためのキャッチコピーのようなものなのでしょう。が、内容が面白いだけに、ちょっと残念ですね。主旨はそこじゃない気がします。


青年と哲人の対話形式で書かれているのは良いと思います。本屋に他のアドラー書が何冊かありましたけど、ちょっと読み辛かった。まあ、実際にはこんな青年いないとは思いますけどね。なんでも、このような形式は、ギリシャ哲学の古典的手法であるそうです。


この本に限ったことではないですが、この種の自己啓発本は、読んだ時は熱くなるけど、そのあとすっかり忘れてしまい、まるで心に残らないというのが常ですよね。

それを回避するためにも、たまに思い出してはページをめくってみると良いでしょう。なんでも、アドラー心理学を本当の意味で理解して、生き方まで変わるようになるには、「それまで生きてきた年数の半分」が必要になる、とさえ言われているそうなので。(30歳で学びはじめて45歳までかかる(爆。)


そもそも、この本、一度だけ読んで全部ちゃんと理解できる人はいないと思います。読みやすくはあるけれど、ところどころ難しい本です。本書の仲にもありましたが、アドラー心理学は常識へのアンチテーゼという側面があります。


読んで理解して、次は実践ですが、まあ、相当な難易度でしょうね。特にトラウマを否定するなんて、100%は絶対無理でしょう。机上の理論として理屈の上では理解できても、実践するのは。課題の分離、「いま、ここ」を生きることもしかり。でも、たまに思い出して「心掛ける」ことは出来そうです、本書の内容がしっかり頭に入っていればね。


この本、頭では分かるが、感情が追いつかない。amazonのレビューに例えると星4つかな。


なお、ホリエモンも絶賛している模様です。




Pocket

関連する記事 - Related Post

ステンドグラス職人になる方法

はじめに 「夢を持ってはだめ」 私が初めてステンドグラスを作ったのは、東京の都心にある、とある個人の方の工房でした。その頃、色々あって急にステンドに強い興味を持ち、当時荻窪に住んでいた私はネットで近くのステンド...…
続きを読む

【ステンドグラス探訪76】青淵文庫

青淵文庫 晩香廬と同じ敷地内、すぐ隣あるのがこの青淵文庫(せいえんぶんこ)だ。青淵とは渋沢栄一の雅号からきており、文庫は書庫を意味する。晩香廬もそうだが、ネーミングセンスが秀逸だ。 ちなみに、晩...…
続きを読む

ケイムで組むランプシェード2【その4】【完成】

全面ハンダ - The entire surface of the solder 組みと表の接点のみのハンダが終わった段階です。 カタチとしてはもう出来ているのですが、ここから歪みの...…
続きを読む

パンクしないタイヤ、TANNUS(タンナス)が凄い件

個人的自転車事情 - パンクさえなければ・・ 基本的に、通勤も含めて都内の移動はほぼロードバイクです。 単に自転車が好きってのもありますが、都内、特に都心だと、自転車の方が電車より早いですし、目的地の目前まで行...…
続きを読む

BABYMETALという奇跡

    馴れ初め AndroidのCMに出てたのをテレビで見たのが最初の出会い。それは間違いない。はっきりと覚えている。時期ははっきりしないけど、多分1年か1年半くらい前。足を大きく上げるキャッチーなダ...…
続きを読む

 Comment

メールアドレスが公開されることはありません。