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デッサン2015-01:デッサン手順の文書化

今月のデッサンです。


今回は、先月お伝えした通り、デッサンの手順を文章化してみようと思います。それに則って描けばもう少しマシになるかなと。


手順の内容は、昔デッサンを習っていたときの自分メモをベースにし、それに+アルファをしたものです。

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/2.0, ISO125, Photo by unknown

モチーフ

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/2.0, ISO125, Photo by unknown

今月のモチーフは、お気に入りの骸骨の石膏像です。男性の骨とのこと。今までも何度か書きましたが、あまり上手く描けず、です。


事前にまとめたデッサンの手順を意識しつつ、こいつを描いていきます。



デッサン・スタート!

①構図決め

  • モチーフに対し、『天』と『地』では『地』を空けて描いた方が良い場合が多い。『地』とは言うなれば床のこと。床のスペースを大きくとる、ということは「足下の情報」をしっかり伝えることができる、ということ。「ここに置かれています」「ここに立っているよ」という「置かれてる感」を強めることにつながるので、画面がとっても見やすくなる。床は立体感の根本でもある。構図をとるときには、しっかり床を見せるように心がける。

  • その点「天」には、大切な位置情報がこれといってない。視覚的にある程度予想のつく範囲で切っても良い。いや、切った方が良い。無理矢理モチーフの全部を構図に入れたがために画面の印象を寂しくしてしまうなんてのは割に合わない。モチーフの中心から一番遠い端の部分が見せ所になるとは思えないので、モチーフにもよるが、分かる程度に切ってしまおう。静物デッサンでは「位置」をハッキリさせることが大事。


    • ②かたちをとる

      • いきなり描き出すのではなく、先ず観察から入る。シンプルにモチーフを観るて、大きく捉える。そして形をきちんと理解する。いろんな角度からモチーフを3次元的に捉える。

      • 描き出しは、大まかに当たりをとる。先ずは「線」ではなく「点」のイメージで進めるのも良い。画面に、ぼんやりとモチーフが配置されているのをイメージできるのが理想。先ず大きくかたちをとり、徐々に小さな部分もかたちをとっていく。

      • 初めは塗りつぶさず、線描きする。線はできるだけ綺麗な線で描く。一定の太さにしない。途切れ途切れ。鉛筆をあまり立てずに描く。見えない部分、例えばリンゴだったらその裏側の形などを描くのも、モチーフを立体的に捉えるのに効果的。また、線を引くときは、一筆で綺麗な線が描けるに越したことはないが、数回(2回)に分けて、間を空けて引くと単調な線にならない。

      • 様々な方法で入念にかたちをとる。具体的には、以下のような方法がある。
        • 測ることは必須。必ずしつこく行うこと。最低限、縦と横の比率のみは測るようにする。
        • 計るのには鉛筆やスポークなどを使う。
        • 縦と横に補助線を引いて確認するのも効果的。
        • 水平線、垂直線、斜めの線、形と形の比較、大きさの比較・・・など、さまざまな角度から、徹底的に計測・比較を行って、正確性を上げる。
        • 三角形で図る、四角形で図る。
        • 形の変わり目、稜線を理解して線を描く。
        • 同一直線状にあるポイントを観る。
        • 部分的なかたちで観る
        • ネガティブスペース「モチーフの周りの余白」を見る

      • 形がとれる/とれないは、才能ではなく努力・やる気次第と心得る。
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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1000, Photo by unknown

          基準線を引きつつ、大まかにかたちをとっていく。


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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1000, Photo by unknown

          全体に手が入ったところ。



          ③ベースをのせる

          • ベースとは、ざっくりした明暗のこと。モチーフをざっくりと明暗で捉える。一番『暗い』『明るい』箇所を見つける。そして、全体を意識して、明暗を面に沿ったタッチでのせていく。

          • 明暗をのせると形の狂いが出てくるので、直しつつ描き進める。反射光も意識して描く。

          • 「こする」のも効果的。ただ、やりすぎると紙の目が潰れて立体感が出にくくなるので注意が必要。

          • 塗り絵のように単調にならないよう意識して塗っていく。
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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1000, Photo by unknown

          ざっくりと明暗をのせていく。


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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1250, Photo by unknown

          奥に引っ込んだところはこすっても良い。逆に、手前はこすってはダメ。おおよそベースがのった。



          ④描き込み

          • 全体感を損なわないように、鉛筆を立てて細部を描き込んでいく。鑑賞者が見て目が行くようなポイントを意識してつくる。ギラギラ、キラッとする『おいしい』ポイントを作る。つるつる/ざらざら、鮮やか/もや~、のテクスチャを描き分ける。

          • 影をきちんと描く。光や影の流れを意識する。ハイライトがどこか意識し、特定する。ハイライトは白く残し、それ以外は少しでも書き込む。

          • 立体物の回り込みを意識して出す。奥に行くほど密度が高いので、それをきちんと表現する。
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          • ハッチングは立体感を助ける技法である。実在しない線を描く犠牲を払って立体感を得る。

          • 立紙の目を潰す/潰さないで差をつけて、立体感/空間表現に役立てる。
          • 練りゴムは、消すためだけではなく、「白く描く道具」。練りゴムで書き込むこともしっかり行う。
          • 下を向いた面で完全に影になっている箇所は紙を鬼潰ししても良い。
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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1250, Photo by unknown

          全体感が損なわれていないを常に気にしつつ、部分に手を入れる。近視眼的になってはダメ。


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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1250, Photo by unknown

          だいぶ手が入ったが、まだまだ改善すべき点が多い。


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          SONY DSC-RX1R, 1/80, f/2.0, ISO200, Photo by unknown

          更に手を加えて、完成。 所要時間:8h14m


          理屈が分かっていても、実際に上手く描けるかどうかはまた別の話。



          [常に意識すること、コツなど]

          • 分からない・ややこしい・面倒くさい・難しいところにしっかり向かい合い、逃げずに観察してちゃんと描く。
          • よく観察する
          • 前に出ているところ、強調したいところ、主役を優先的に描く。モチーフをパッと見て目立つところをきっちり目立つように描く。
          • 描く前に『綺麗』『描きたい』を思ったイメージを常に意識し、大切にする。
          • 遠目・薄目・焦点を外した目で観て何度も全体感をチェック・修正する。
          • そこに存在する。置かれている感じが出ているかどうかを確認する。
          • 兎に角何度でも間違いを修正する。
          • 画を逆さにしたり横にしたりして見る、鏡に映して見る、など、違った見方をするのも効果的。
          • 意図的に前後、強弱の差をつける。近く/遠く、明るい/暗いを意識する。
          • モチーフを観察し、頭の中で再構築してキャンバスに描き出すイメージ。
          • デッサンは陣取りゲームのようなもの 少しづつ確定していく。
          • そのいっ時を大事にする。そのいっ時に命を賭ける。死ぬ気で描く。
          • 全体と細部を行ったり来たりしながら描く。「部分」と「全体」を意識する。
          • 左脳ではなく右脳で描く。
          • モチーフに這うアリのような気持ちでモチーフを捉える。
          • 基本形(球、円柱、4面体等)にあてはめ、それを意識して描く。立体の面を常に意識する。
          • 綺麗な線を引く。綺麗な黒を出す。
          • 常に、どの段階でも(描き始めでも中盤でも終盤でも)デッサンとして、絵として「完成」なのが理想。





          反省点と今後

          デッサンの進め方は、人それぞれです。上手な人が描くのを見ていても、十人十色の描き方があります。今回書いた手順は、自分流、かつ発展途上です。


          手順やコツが頭ではわかっていても、なかなか思うようには描けません。自分の場合は特に「愚直さ」が足らないですね。もっとこう、愚直さを意識しなくても、常に愚直であるぐらいにならないと、もう一段上のレベルには上がれないと感じています。


          あと、紙は何度も描いたり消したりを繰り返すと、汚くなったり、めがつぶれて綺麗に鉛筆の黒が乗らないので、計画的に出来るだけ少ない手数で描くことも大事だと思いました。


          もう一つ、ただ漠然と、「上手くなりたい」と思いながら描いていてもなかなか壁を打ち破れないので、意識的に一つのポイントだけに絞り、試しながら描くすもの有効だと思いました。例えば、「ハッチングだけで描く」、「こすらずに描く」などです。いつも同じ描き方で結果が出ないならば、実験的に制限を設けて描くことで、何か掴めるかもしれません。






          デッサンにはいろんなスキルが必要ですが、それを少しずつレベルアップさせることにより、画のレベルが少しずつ上がっていくのだと思います。


          次回もがんばります。





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