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【ステンドグラス探訪09】ウィルあいち(愛知県女性総合センター)

【ステンドグラス探訪】シリーズの第9弾です


今回は名古屋市東区のウィルあいちに入っているステンドグラスをご紹介します。


このウィルあいち、名古屋市市政資料館の真正面にある建物です。

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SONY DSC-RX1R, 1/160, f/5.6, ISO100, Photo by eto

ウィルあいち

愛知県女性総合センター(あいちけんじょせいそうごうセンター)は、愛知県名古屋市東区にある公共施設。


1996年(平成8年)に建設された愛知県の男女共同参画社会づくりの拠点施設。愛称は「ウィルあいち」。管理運営は2006年(平成18年)4月1日より指定管理者であるコングレ・愛知グループが行っている。


施設には多目的ホールのウィルホールや大会議室、セミナールーム、情報ライブラリーのほかに、相談コーナーや宿泊施設を備えており、講義やイベントなども行われる。


また、毎年9月上旬には女性映画監督の作品などを上映する国際映画祭「あいち国際女性映画祭」が開催されている。

前を通っても、ここが図書館やフィットネススタジオを完備した結構ナイスな公共施設だなんて、思わないでしょうね。地元の人は知ってると思いますが。


ひょんなことから、ここにステンドグラスが入っていることを知って、見てきました。






1階展示室奥のステンドグラス

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.0, ISO400, Photo by eto

入り口を入って左側、交流サロン奥の展示室の窓際に入っています。かなり分かり辛い場所にあるので、ブラっと行ってもなかなか見つからないと思います。自分は、受付の人に聞いてやっと分かりました。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO200, Photo by eto

コレです。結構大きいですね。500mm × 2000mmくらいはありますでしょうか。


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SONY DSC-RX1R, 1/100, f/5.6, ISO100, Photo by eto

赤、青を基調とした色使いです。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO125, Photo by eto

クリアの部分はペンシル型のベベルトグラス が多く使われています。


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SONY DSC-RX1R, 1/100, f/5.6, ISO100, Photo by eto

ベベルト以外は全てフルアンティークですね。ランバーツっぽいです。もしくはサンゴバンかもしれません。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO100, Photo by eto

赤のグラデーションが綺麗です。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO125, Photo by eto

制作工房のサインがしてありますね。'95年制作なので、丁度20年前のものです。


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SONY DSC-RX1R, 1/125, f/5.6, ISO100, Photo by eto

ストライエーションが綺麗です。






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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.0, ISO500, Photo by eto

ガラスは二重になっていて、ステンドのパネルが白のシリコンで止めてあります。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.0, ISO160, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/100, f/5.0, ISO100, Photo by eto


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所々で、端から端まで横に一本通った線がありますが、補強のために周りと違うケイムが使われている訳ではないようです。


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SONY DSC-RX1R, 1/125, f/5.0, ISO100, Photo by eto

ケイムはほぼ同じ幅のラウンドケイムが使われています。RH-6とRH-5がメインに使われているようです。


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SONY DSC-RX1R, 1/160, f/5.0, ISO100, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/160, f/5.0, ISO100, Photo by eto

このあたりのクリアは、ランバーツのリーミーですね、おそらく。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO400, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO400, Photo by eto

パテは白パテが入っています。しっかりと入っていますね。






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裏側です。


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裏側から見ると、明るいのでハンダの仕上げ感が良くわかります。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO320, Photo by eto


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ケイムが良く染まってますね。真っ黒です。


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感想・評価

アンティークガラスが多用されており、ガラスの綺麗さはトップクラスです。色も、赤青の2系統ですっきりとまとまっており、良いと思います。


ただ、ペンシル型のベベルトの使い方がちょっと好きじゃないです。アンティークガラスと組み合わせると、ベベルトは人工的なのにアンティークは手作りの温かみがあるので、マッチしないです。と言うか、個人的にベベルト自体があまり好きではないです。なんか人工的で安っぽく見えるので。特に既製品のペンシル型のはその傾向が顕著です。


デザインについてですが、ガラスの形や全体の流れに意味や意思、確固たるポリシーはあるのかでしょうか。なんとなく、こんな感じかな~というふうに、適当に作っている気がしてしまいます。このパネルのような感じのステンドは、外国の作家が作ったものが昔の本などに良く出てきますが、それを真似てつくった印象があります。何かこう、作者の強い意思は感じられません。


加えて、何かこう、しっくりこないです。構図・色のバランスが悪いのだと思います。そのあたりは、ガラスが綺麗なだけに残念です。


あと、パテは黒い方が良い気がします。周りを止めているシリコンも、ブラックの方が良いと思います。

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.0, ISO160, Photo by eto

横に何本も、端から端までケイムの線が通っているのも解せません。その都度、世界が閉じてしまっているように見えます。せっかく1枚の大きなパネルなのだから、もう少しこの縦長のキャンパスを生かしたものにしたら良いのに、と思います。横にケイムを通すとパネルの強度が強まる、などという、制作上の都合でもあったのでしょうか。確かに、パネルを制作するときは、横に通ってると裏返すのがし易かったりして、扱いやすいですが。


ラウンドケイムが黒光りしている件は、綺麗と言えば綺麗だけど、人工的で味わいはない気がします。アンティークのガラスも、言わば、わざと手作り感を出している訳なので、それに合わせてケイムも味わい深くした方が良いのではないかと思います。具体的には、艶をなくしたり、色をもっと薄くしたり、色むらをわざとつくる、などの方法が考えられます。


色々言いましたが、パネルの作りはしっかりしていると思います。パテの入りも良く、頑丈そうに見えます。


このパネルのような、「抽象」・「アシンメトリー」のスーパーフリースタイルはやっぱりデザインが難しいですね。特に、本パネルのように有機的な線と幾何学的な線を混ぜると難易度がグッと上がります。


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SONY DSC-RX1R, 1/125, f/5.6, ISO100, Photo by eto




全く別の見方をしてみましょう。このパネル、大きくて色々な抽象的要素が入っているので、何か制作に役立つのヒントの様なものが隠されているように思えてきます。例えば、「白いガラスがどのような効果を生むか」や、「縦横斜めに走る細い線がどんな効果を生み出すのか」などです。何かこう、ある意味、創作意欲を掻き立てられるパネルです。


いつかは、このくらい大きなパネルをデザインして、全部自分で作ってみたいですね。




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