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【ステンドグラス探訪11】カトリック布池教会

【ステンドグラス探訪】シリーズの第11弾です


今回は名古屋市東区のカトリック布池教会に入っているステンドグラスをご紹介します。


前回と同じく教会ですが、こちらはケタ違いの規模です。

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SONY DSC-RX1R, 1/640, f/5.6, ISO100, Photo by eto

カトリック布池教会

カトリック布池教会(カトリックぬのいけきょうかい)は、愛知県名古屋市東区にあるキリスト教(カトリック)の教会およびその聖堂で、カトリック名古屋教区の司教座聖堂(カテドラル)である。


1962年(昭和37年)3月21日、カトリック名古屋知牧区の司教区への昇格を同年4月16日に控えて献堂された。保護の聖人は聖ペトロ・聖パウロで、「聖ペトロ・聖パウロ司教座大聖堂」とも呼ばれる。


聖堂建築はゴシック様式で、四方をステンドグラス(ドイツ製、イタリア製)に囲まれる。大聖堂入口に面するステンドグラスはローマ帝国迫害時代の殉教者聖セシリアを描いたもの。大聖堂内側面に配列された木製レリーフ(ドイツ オーベルブェルガム製)はイエスの十字架の道行きを描いたものである。


鉄骨鉄筋コンクリート構造の大聖堂(内部3階)は、北側を桜通、南側を錦通に挟まれた一画に、50メートルの高さを持つ2本の尖塔(内部5階)を現す。収容人員700名。なお大聖堂は、1992年10月5日付で名古屋市の都市景観重要建築物に指定されている。

Wikipediaには、ステンドグラスはドイツ製・イタリア製と書かれていますが、おそらく一部は日本製です。東京の大竹ステンドさんのHPに、1969年の実績として載っています。


元々大竹ステンドに在籍していた岩﨑隆さんという方が関わられていたようで、この方のHPにも実績として記載されています(教会大聖堂、聖窓、側窓のみ)。





大聖堂周辺のステンドグラス

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SONY DSC-RX1R, 1/500, f/5.6, ISO100, Photo by eto

外国にあるような立派な建物です。


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SONY DSC-RX1R, 1/400, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto

早速正面に大きなステンドグラスが。


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SONY DSC-RX1R, 1/160, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto

その下は、大天使ミカエルです。バックが金色のモザイク模様になっています。


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SONY DSC-RX1R, 1/320, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO125, -0.3EV, Photo by eto

一つ一つの小さな小窓全てにステンドグラスが入っています。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO200, -0.3EV, Photo by eto

パテが取れちゃってるのが少し悲しいです。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO200, -0.3EV, Photo by eto

内側から。スペクトラムのリーミー、ウォーターとアンティークのガラスが使われているのがわかります。。ケイムは、中はすべてRH-3のようです。。



・・・と、ここまで。大聖堂内部は撮影禁止でした。残念ながら。


後から知ったのですが、教会は撮影禁止のところが多いようですね。神聖なものにカメラを向けるのは失礼ってことなのでしょうか。


↓こちらに写真が少し載っています。


布池教会アルバム

↑これも誰かが撮ったものなので、そういう時は撮影OKなんですね。駄目なのは一般人だけのようです。


大聖堂の中はとても広く、大きなステンドグラスが得も言われぬ荘厳な雰囲気を醸し出していました。一枚一枚のデザインがどうのこうのと言うより、その連なったステンドグラス全体の凄まじい量感からくるパワーが圧倒的でした。







さて、大聖堂は階段を上った2階部分にあるのですが、そこから階段を下りると、待合室のようなエリアがあります。

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO640, -0.3EV, Photo by eto

これは、そこに設置されているステンドグラス。奇妙です。光が入っていないから、というもの当然ありますが、それ以外に作りが珍しいのです。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO2000, -0.3EV, Photo by eto

通常のステンドグラスではありえないガラスのかたち。また、ガラス同士が切り離され、切り口がむき出しになっています。例えば、中心線の部分を見るとわかると思います。


ケイムの色もなんだか真鍮っぽくて人工的なテイストです。ガラスは、ベベルトの部分以外はすべてアンティークです。


不思議と、見てはいけない物を見てしまった感があります。気を取り戻して、外に出ました。






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SONY DSC-RX1R, 1/250, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto

中からは写せないので、建物の外から。うっすら分かりますね、ステンドの絵柄が。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO200, -0.3EV, Photo by eto

こちらは東側の窓。西日のおかげで良く見えます。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO250, -0.3EV, Photo by eto

パウル・クレーの絵のような色使いが素敵です。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO500, -0.3EV, Photo by eto

ガラスの表面に何か塗られていて、それが部分部分剥がれたようになっています。意図的なものと思われます。


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SONY DSC-RX1R, 1/640, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto

こちらは西側の窓。ステンドのデザインが何となくわかります。


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SONY DSC-RX1R, 1/500, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/640, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto






1階エレベーター周辺のステンドグラス

こちらのエリアは、教会の正面と反対側の場所です。2003年にバリアフリー施設として作られたそうです。ステンドグラスは、聖書の中の話からとられたモチーフでデザインされています。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO400, -0.3EV, Photo by eto

バリアフリーということで、手すりがステンドの前にきちゃっています。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO800, -0.3EV, Photo by eto

こちらは、後ろ側に何があるか分かりませんが、光を通さない感じになっています。残念ながら。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO640, -0.3EV, Photo by eto

ガラスは全てアンティークです。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO500, -0.3EV, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO320, -0.3EV, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1000, -0.3EV, Photo by eto

平気でガラスとガラスの間に隙間が空いています。。斬新です。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1250, -0.3EV, Photo by eto

こちらは、ガラスの模様を見るとわかりますが、ガラスを切らすに、表面にケイムの片側を貼っただけのエコな作りです。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO1000, -0.3EV, Photo by eto

ケイムは人工的で味のない色味です。まるで工房ではなくで工場で作ったかのよう。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO2000, -0.3EV, Photo by eto

個人的には、このように、ガラスにケイムやカッパーを直接張ったりしてるのは反則だと考えています。アンティークガラスが泣いています。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO320, -0.3EV, Photo by eto

まるで公民館とかにありそうなステンドです。これらはきっと、A型の女性が作ったのではないでしょうか。大いなる偏見ですが。



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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO400, -0.3EV, Photo by eto

建物の外から。内部と違ってコンクリ打ちっ放しの感じが良いです。






2階エレベーター周辺のステンドグラス

エレベーターで2階に上がったところのエリアです。

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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO2500, -0.3EV, Photo by eto

階段につながるドアにもステンドが入っています。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO800, -0.3EV, Photo by eto

そう、これも・・・


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO2500, -0.3EV, Photo by eto

凄いカタチのガラスと、切り口むき出しのガラスでできたステンドです。ステンドをやる側の人間が見ると違和感ありまくりですが、一般の人が見たらどう思うのでしょうか。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO500, -0.3EV, Photo by eto

エレベーターの横にも1階と同じようなのが2枚入ってます。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO160, -0.3EV, Photo by eto

1階のもそうでしたが、全体的にブルー系の色が多用されていますね。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO640, -0.3EV, Photo by eto

反対側にもドアがあり、そこには、アンティークの一枚ガラスが沢山入れられています。






感想・評価

メインの大聖堂のステンドグラスはなかなかのものでした。


一枚一枚のデザインが良いとかガラスの色が、というのはさておき、あれだけの量のステンドグラスに光が注がれて輝く様は、圧巻の一言です。心が洗われて思わず改宗したくなるほど!?の何かを感じましたね。量が質を凌駕する瞬間を目にできました。


聖堂の奥、真正面のメインのステンドは、例のイエスが十字架に架けられたものでしたが、老けたイエスと微笑むマリヤが何やらコミカルに描かれていました。悪く言えば、子供が描いた稚拙な絵。良く言えば、高度にデザイン化されたシンボル。表裏一体紙一重です。これはドイツ製らしいですが、なんとなく頷けます。日本人がデザインしたとは思えません。


そして教会の外からも見えた、もう一つの大きなステンド、聖堂後方のステンドは、セシリアというキリスト教の聖人を描いたものです。こちらは、カラフルなバックに楽器を弾くセシリアがバランス良く配置されいます。ビビッドな色使いが綺麗です。


この2つ以外、聖堂の側面にも、かなりの量のステンドグラスが上から下まで入っています。どれも、適度に抽象化された飽きのこない素敵なデザインのものです。


残念ながら撮影ができなかったため、その凄さをほとんど伝えられませんが、また今度行ってみたいと思わせる素敵な場所でした。


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SONY DSC-RX1R, 1/80, f/5.6, ISO400, -0.3EV, Photo by eto

さて、一方で問題だったのが、バリアフリーエリアのステンドです。


先ず、バリアフリーエリアの内部が、教会っぽくないちょっとダサい作りでしたね。木の色や壁紙の感じがまるで公民館のようです。


そこに、これまた公民館にあるようなテイストのステンドがはまっています。


先ずデザインが稚拙で、全体に緊張感がなく間延びしています。もう少し抽象化するか、逆にもっとずっと具象化した方が良いでしょう。抽象化するには、ある程度デザイン力が必要ですが、聖堂のステンドグラスを真似ればあまり考えなくてもいける気がします。おそらく真似るという発想はなかったのでしょう。また、具象化するとしても、ピース数が増えるので、きっと予算的にNGなんでしょうね。ただ、予算のことを言うと、アンティークじゃなくてもっと安いガラスで良いので、凝ったデザインにして欲しかった。


技術的には、なぜかガラスを分けずに、ケイムをガラスに貼って線を作っている箇所が多いです。好き嫌いもありますが、個人的にはちょっとステンドグラスとは呼びたくないですね。また、ガラスとガラスの境に穴が開いてる箇所がありますが、これはあり得ないです。きっと、美意識が低い人が作ったのでしょう。少なくとも、気持ちが入っていないことは間違いありません。


最高級のアンティークガラスを使っておきながら、稚拙で幼稚なつくりでがっかり、というのが本音です。いやむしろ、ガラスが良いだけにその対比として出来の悪さが際立ちます。


これでは、なかなか人の心を動かすことはできません。まあ、作った本人は動かそうなんて思ってもいないのでしょうから、ある意味必然ですが。


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SONY DSC-RX1R, 1/800, f/5.6, ISO100, -0.3EV, Photo by eto

これは、教会入口にある管理棟のものです。イエスらしきものがデザインされています。





おそらくここに入っているステンドのパネルは、大小合わせて200枚以上はあるでしょう。凄い数です。しかし、今回は良いステンドとダメなステンドの差が激しかったです。。ただ、勉強にはなりました。




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