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【ステンドグラス探訪54】ミュシャのステンドグラス – 夕べの夢想

ミュシャが生きていた時代に作られた、ミュシャの原画を元にしたステンドグラスです。


首都圏の某所に、ひっそりと飾られています。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO500, Photo by eto


アルフォンス・ミュシャ

日本でも大人気のミュシャ。イラストっぽい絵が有名ですが、実はデッサン力も相当なもので、密かに憧れています。

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そんなミュシャのステンドと言えば、チェコのプラハにある聖ヴィート大聖堂のものが有名ですが、実はこれよりももっと古い時代に、ミュシャの原画を元にしたステンドグラスが作られていました。


その本物を日本の某所で見つけましたので、今回、ひっそりとご紹介します。


アルフォンス・ミュシャ - Wikipedia
聖ヴィート大聖堂 - Wikipedia





ミュシャのステンドグラス - 夕べの夢想

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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO800, Photo by eto

アルフォンス・ミュシャ原画(1899年)、ルイス・バルメット制作(1906年)。


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こちらがミュシャの原画です。1日の四つの時「朝の目覚め」「昼の輝き」「夕べの夢想」「夜の安らぎ」というシリーズの一部、として知られています。



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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO400, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO800, Photo by eto

上の花の部分、好きです。メリハリが効いていて、遊び心が感じられます。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO320, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO320, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO640, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO500, Photo by eto

右側の下から2番目のピースだけ色が違います。恐らく、近年になって割れを補修したのでしょう。






感想・評価

ステンドグラスという制約の中で、上手く原画の線や色を表現していると思います。


ステンドになるとケイムの線がハッキリし過ぎて雰囲気が損なわれることが多いですが、柔らかい線と調和のとれたしっとりと優しい色彩で、全体に統一感があり、それでいてメリハリも聞いています。


色については、ベースとなる山吹色に対して、補色に近いブルー系の色で絶妙な調和がとれています。上部の赤と緑の関係も同様です。そして、背景の絵付け部分は、薄く塗ることにより空気遠近法が成立しており、より主題を目立たせた、メリハリの効いた画面に仕上がっています。聖ヴィート大聖堂のもそうですが、色の組み合わせが最高です。この感じは、もしかしたらミュシャ本人が実際にステンドを見て見て監修しているかもしれませんね。


線は、基本的に原画の線の感じをそのまま用いていることもあり、流石に良いです。色気のある飽きのこない線であり、良く考えられた線です。このような線の美しさは、日本のステンドには殆ど見られません。発想が乏しいと言うか、ステンドグラスの線というものを、何か変な方向に決めつけちゃってるんですよね、きっと。


以前ご紹介した目白聖公会もそうですが、個人的にあまり好きではない絵付けのステンドも、このレベルのものは非常に綺麗です。くどくなく、バランス感覚が良いですから。正直、欲しいです。


統一感があり、工夫があり、色や風合いが良いから、総合的に価値の高いステンドになる。もう少しそういった点に重きを置くべき、そういった点が語られるべきだな、と、切に思いました。あと、やっぱり色の組み合わせが大事だなと。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO1000, Photo by eto

これなんかは、ハンダの感じが良く分かりますね。ヨーロッパなので、当然ながら部分ハンダ。このハンダの感じは、100年以上前の作品でも、現代と同じです。


また、補強線がしっかりケイムに沿わせて入れられています。丁寧な作りです。






古いステンドは不思議な魅力に満ち溢れていますね。格式が高くて威厳があって風合いも良い。学ぶことが多いです。




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