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【ステンドグラス探訪81】大阪取引所

大阪で見たステンドグラス・シリーズの第二弾。


大阪市中央公会堂に続いて、その近くにある大阪取引所へ行ってきた。


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SONY DSC-RX1R , 1/1000, f/2.0, ISO100, Photo by eto

大阪取引所

大阪市中央公会堂から歩いて10分も掛からないぐらいのところにあるこの建物も、なかなか格好良い面構えをしている。


ただ、今メインで使われているのはその裏にあるビルで、上の写真にある円形のエントランス部分は、戦前に建てられた当時のままの姿を今現在に残す目的で存在してる模様。この部分に、今回のステンドグラスが入っている。


建物の前にあるのは、五代友厚像。大阪取引所の前身である大阪株式取引所の発起人の一人として知られている。


大阪取引所 - Wikipedia






玄関ホールのステンドグラス

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SONY DSC-RX1R , 1/125, f/2.0, ISO100, Photo by eto

外からは分からないが、円形のエントランスに入って振り返ると、大きなステンドグラスがドカッと目に入ってくる。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/4.0, ISO200, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/4.0, ISO250, Photo by eto

エッチングのガラスがメインモチーフとして使われている、珍しいステンドグラス。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/4.0, ISO640, Photo by eto

これは、下の方にある小さめのステンドグラス。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO1600, Photo by eto

斜めに入った細いラインは、初めは割れを直した後かと思ったが、規則的に入っているので、どうやらそうではない模様。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO2000, Photo by eto

ガラスは、サンゴバンのCXのようなガラスや、ココモのオパレッセントらしきガラスが入っている。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/2.0, ISO200, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/2.0, ISO200, Photo by eto


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/2.0, ISO160, Photo by eto

向かって左側の下にある、もう一枚の小さめステンドグラス。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO800, Photo by eto

右側の小さめステンドグラス、と左右対称に作られている。


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中々彫りの深いエッチング(サンドブラスト?)だ。


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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/2.0, ISO640, Photo by eto

建物内の通気口?のようなところ。


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これは小さめのステンドグラスの裏側、つまり建物の表側の格子。面白い意匠。


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SONY DSC-RX1R , 1/400, f/2.0, ISO100, Photo by eto

こちらが、上の大きなステンドグラスの裏側の格子。







感想・評価

エントランスの建物が建物が1935年竣工なので、ステンドグラスもその当時からのものなのだろう。ガラスだけ見ても、今売られているものとは違うように思うので、それはほぼ確実だ。


調べたところ、エッチング部分は、生田徳次というエッチンググラス工芸家の方が作ったもので、ステンドグラス部分は、関西ステインドグラス製作所という当時あった工房が作ったことが分かった。生田徳次さんの息子さんも後を継いで、現在もガラス関係のお仕事をされているようで、そこのHPに書かれていたので、それは確実だ。


なお、このエッチンググラスとステンドグラスは、2004年に割れ部分の交換と全面組直しがされているとのこと。どうりで状態が良い訳だ。

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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/2.0, ISO200, Photo by eto


さて、ステンドグラス全体の意匠について。


毎度のことながら、意匠を考えたのが誰かは不明だが、制作を担当した関西ステインドグラス製作所の誰かなんだろう。ステンドグラスはデザインが全てと言って良いくらい重要な訳だが...。


当時の時代性からして、アールデコ調を意識したのだろうが、あまりに意匠に工夫がなく、単調だ。エッチングは中々のモノなのだから、せめてそれにあったもの、アールヌーボー調にでもした方が良かった気がする。


ガラスの割り・線にメリハリがなく、リズムも悪い。細く斜めに入っている線も不可解だ。ガラスの色もパッとしない。規模が大きい以外は、ステンドグラス部分にはあまり褒められるべき要素がない。


建物の金物部分は気の利いた意匠になっているのに、ステンドグラスだけがダサいのがまた辛いところだ。


また、エッチングとステンドグラスのバランスが悪く、それぞれがそれぞれの良さを打ち消しあっている気がしてならない。


エッチングのデザインは、適度に抽象化された植物などの図柄が、いい塩梅の深さで彫られており、良い品物だと思う。それだけに、ステンドグラスが足を引っ張っているのが勿体ない。


堅牢・重厚で良い建物だけに、それに釣り合うステンドグラスが欲しかったところだが....。...ステンドグラスである、と言うだけで満足しては駄目だってことですね。






大阪には、この他にも見るべきステンドグラスはあったかもしれないが、事前の調査不足で、前回の大阪市中央公会堂と今回の大阪取引所の2か所だけの見学となった。


またこっちへ来る機会があったら、もう少し事前に調査して、時間もとって、ゆっくり見て回りたいと思う。




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