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ステンドグラスをウェブで売ることについて

ステンドグラスの作品をウェブで売りに出す場合のこと。


その目的、手段、媒体、戦略など、思いついたことや備忘録など。

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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO125, Photo by eto

ステンドグラスをウェブで売るということ

ステンドグラスをウェブで販売することに興味があるので、ちょっと調べてまとめてみようかと思う。


先ず、現状、ウェブで売られているステンドグラスをざっと見てみた。多くは、安価なランプや小物、シンプルな英国アンティークパネルなどだ。


これらは、殆どがあまり品質の良くない物のようである。中国製のものは安価なガラスで作りが雑。英国製のアンティークも、ただアンティークということ以外に、特に何もないように思える。現代のガラスを使った方が作りも良く綺麗だ。


勿論、中にはきちんとしたものもあるが、多くの人の目に触れるような場所では売られていない。普通に検索すると「まがい物」ばかりが出てくる残念な世界。それがステンドグラスのネット販売の現状だ。


つまり、きちんとしたステンドグラスは、ウェブではほとんど売られていない。ここで言う「きちんと」とは、アメリカやヨーロッパ製のステンドグラス用ガラスを使って、知識やセンスがあるデザイナーがオリジナルでデザインをし、職人が丁寧に作ったモノを指す。


ステンドグラスも他のあらゆるモノと同様に市場原理が働くので、低品質なものが幅を利かすのは当たり前の事ではある。だが、ステンドグラスを作る、という明確な意思とささやかな理想を持って創作を行うのであれば、きちんとしたモノを作るのは大前提としたいところ。ただ利益を得さえすれば良いというならば、ステンドグラスを商材に選ぶ必要がない。


ただ、その場合、材料費もさることながら、制作に手間暇がとても掛かるステンドグラスは、ある程度高価になってしまうのは、当然のこと。ましてや、生活に必須ではない美術品・工芸品の類でもある。従って、余程のモノでなければ、ホイホイと売れるものではないことは明らかである。


売りに出す以上、一番の目的は、利益を得ることであるべきだが、それだけを考えて色々と画策するのは、得るものが少なく、失うものが多そうだ。では、それ以外にどんなメリットがあるのかを、考えてみよう。


宣伝になる

何らかの母体(ステンドグラス工房、作家、デザイナー)が制作者であり、そこで作られたモノを売ることになる。その母体の宣伝にはなるだろう。


売り出す場所に大きく依存するが、大手のマーケットプレイスを使えば、自サイトとは比較にならない程のページビューを得られるだろう。そこからの2次的な広がり(自サイトへの誘導、直接の仕事依頼など)が期待できる。


評価を知る

例えば、自身でクオリティが高いと思っていたモノが、低価格でも売れなかったとする。それは、そのモノの評価が低いことを意味する。クオリティと価格のバランスにもよるが、売りに出したモノの評価を知ることは、大きな意味がある。


リアルな対人関係の中で直接評価を受けることは意外と難しいが、ウェブだと売れた/売れないだけでなく、お気に入り登録の数、などの指標があり、それを直に受けることができる。


商業感覚を養う

売れる・売れないはさておき、リアルの現場でも共通する一通りの商業活動を行うことになるため、商業感覚が養えるだろう。何より消費者ニーズを知ることができるし、マーケティング、ブランディングなどの勉強にもなりそうだ。




正直、あまり光明は見えないが、やってみて分かること、やってみなければ分からないこともあると思うので、話を進めていきたいと思う。


一般的に、ステンドグラスに関わる仕事を生業とする場合、オーダーメイドパネルの制作やステンドグラス教室を開くこと、材料の販売などが、現状はメインとなっている。


ここに、ウェブを使って商品を売ることにより、そこから直接利益を得たり、副次的なメリットを得ることができれば、停滞感のある現状に、何らかの変化をもたらすことが可能ではないか。


そもそも、インターネットがここまで発達する以前は、実店舗を構えて、そこで売ることしか選択肢がなかった。当然、場所や立地、それ以前に金銭的な問題などがあり、気軽に手を出せるものでは全くなかった。それが今は、手段にも依るが、ただネットで売るだけなら、ノーリスクで気軽にスモールスタートできるという、とんでもない時代。試さない手は、ない。

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SONY DSC-RX1R , 1/80, f/5.6, ISO800, Photo by eto




具体的な方法・手段

と言う訳で、具体的な方法を探っていこうと思う。


ネットでモノを売る、と言うと、真っ先に、Amazon、楽天、ヤフーショッピング、などを思い付く。これらは、売り手ではなく買い手として実際に良く使うサイトである。だが、ここらでステンドグラスを売るのはちょっと違う気がする。そもそも容易にお店を出せる訳ではないし、出店料が掛かる。


もう少しふさわしい場所として、今はハンドメイドの工芸品や美術品などを売るウェブサービス(マーケットプレイス)があるようなので、それをメインで見てみようかと思う。


それ以外の手段としては、既存のマーケットプレイス(売り場)を使うのではなく、売り場事体を自前で用意する、という方法がある。これについても後述する。



ハンドメイド品販売系マーケットプレイスを使う

ざっと調べてみた。この4つが、業界の4強のようだ。少しだけ、買う立場で使ってみた。第一印象は以下の通り。

minne・・・業界最大手のよう。

Creema・・・使いやすそうなサイトだな、という印象。売れた商品の数が分かるのが良い。

iichi・・・国内だけでなく海外にも展示・販売とのこと。

tetote・・・サイトの雰囲気からして、女性向けのような気がする。


それぞれに特徴があるが、ある程度高額なステンドグラスを売るのであれば、iichiが最もふさわしいような印象を持った。サイトの雰囲気、そこで売られている商品などから判断してのことだ。


ちなみに、iichiの場合は、登録料金などの初期費用は一切無料、売買成立時に、販売手数料が20%発生する。手数料20%というのはかなりの額になるが、その分、人目に触れる機会を提供してもらうと考えれば、十分に納得感がある。


これら以外には、以下のようなマーケットプレイスがあった。ただ、商品数が少なかったり、使い勝手が悪かったり、雰囲気がイマイチなので、今回は詳細には触れない。

Hands Gallery Market

crapaca ・・・トップページがいまいち。検索し辛い。

proory ・・・商品数が少ない。

sowzo
BAUry
cotte

あとは、ハンドメイド品ではなくアート系のマーケットプレイスも存在するので、そちらの方面を攻めてみるのも良いかもしれない。




自前で用意する

売り場事体を自分で用意する場合、流石に一から自作は厳しい。従って、何らかの既存プラットフォームを使うことになるので、それを調べてみた。スモールスタートには向いていないので、今回はさわりだけを。


自前で用意する分、費用が大幅に安く抑えられるのが利点だが、多くの人の目に触れられるようになることは、並大抵の努力では難しいだろう。販売手数料が掛からない代わりに、人目にも触れない。そのあたりの兼ね合い・バランスを考える必要がある。これらのサイトは、将来的には有用かもしれない。

カラーミーショップ・・・老舗のネットショップ運営サービス。

BASE・・・爆発的に普及している印象がある、ネットショップ運営サービス。

WordPressとプラグイン・・・welcartなど無料のプラグインがあるので、試す価値はありそう。手間が掛かるが。。。

EC-CUBE・・・最近あまり聞かないが、昔ちょっとだけ使ったことがある。


その他

ヤフオク!・・・ステンドグラスのような需要があまりないモノは、オークション形式は厳しいような印象だが、試してみても良いかもしれない。ただ、ちょっとヤフオクには変な手垢が付いている気がする。正直、イメージが悪い。ちなみに、最近、久し振りに使ったら、使い心地が以前よりかなり洗練されていて驚いた。





ここが売り場である、ここでモノを売っている、という事を明確にすることに、ショップで売る意味がある。それはリアルでもネットでも同じこと。


ただ、そのような形式でなくとも、商品を陳列し、値段を掲げれば、最低限の売買関係は成立する、と言えば、それはそう。リアルで言うところの、露天商のようなイメージだ。オリジナルのステンドグラスというのは数を売るモノじゃないので、もしかしたらそれでも良いのかもしれない。そうなると、自サイト、twitter、facebook、instagramなど、方法はいろいろと思い浮かぶ。

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具体的な戦略

実際に始める場合の具体的な戦略を考えてみる。


先ず、以下のことを大前提としたい。

・オリジナルのきちんとしたステンドグラスを売る。

・スモールスタート(最初から、売ること自体に大きな手間や費用は掛けない。)


世の中には、安くてそこそこのモノが氾濫しているように思える。きっと一番需要が多いからなのだろう。ただ、自分で作って売るステンドグラスについて同じようなことをしても、全く面白くない。従って、基本路線は、きちんとしたモノを、それ相応の値段で売る、ということになる。


理想論かもしれないが、世の中に2つとないモノ、ある程度のコストを掛けても、どうしても手に入れたいと思えるモノであれば、それを欲する人が、どこかにいる筈だ。そこを目指したい。


具体的に何を売るかだが、パネルはちょっときつそうだ。基本的に、開口があってそこにハメるものであり、日の光を受けて輝くものだからだ。その点、ランプシェード的なモノであれば、それだけでステンドグラスとして完結しているので、扱いやすい。あと、最近少し思うのは、テラリウム。あまり光を必要としないので、これも扱いやすそうだ。


場所は、先ずは気軽に始められる既存のハンドメイドマーケットである、iichiで試してみる。万が一!?そこで何らかの成果が得られれば、BASEを並行して試す。そんなというイメージが、今ぼんやりと浮かんでいる。

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実例

勿論、実際に成功しているかどうかは、直接聞かないと分からない。ただ、良さそうだな、いい感じだな、と思った店舗さんを、いくつかご紹介する。


小口研治 ショップ -iichi

長野の、ステンドグラス作家であり、山岳ガイドもされている方のページ。作品のクオリティが素晴らしい。


ステンドグラシアス

岡山のステンドグラス作家さんのページ。BASE、creema、iichi、minneを利用されているよう。


Nijiiro Lamp

愛知でステンドグラスランプを作っている方のページ。カラーミーショップを使っているようである。


ANETAKA NET SHOP

京都のアンティークショップのサイト。こちらもカラーミーショップのよう。不思議な雰囲気。




おわりに

と言う訳で、実際に始めてみようかと思う。商品はとりあえず一つ、今月作る予定。登録サイトはiichi。


先ずは実際に始めてみる事が大事な訳で、スモールスタートからのブラッシュアップで、徐々にステップアップしていければ良いかな、と思っている。


今のところ、定期的に作品を作って、それを何年か続けていれば、1年で一つくらいは売れるんじゃないかという、希望的な観測をもっている(微笑。



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